自重トレーニングのメリットとウエイトトレーニングの危険性

自重トレーニングのメリットとウエイトトレーニングの危険性

筋トレというと、先ずダンベルやバーベルを持ち上げる事をイメージされる方も多いですが、自分の身体の重さだけを負荷にする、自重トレーニングも立派な筋トレです。特に、ウエイトトレーニングの際に起こりやすい、身体にとっての不自然な動きも起こりにくく、より機能的な動きができるのが自重トレーニングの大きな利点であると言えます。ここでは、ウエイトトレーニングと自重トレーニング、それぞれの違いや、特にウエイトトレーニングをおこなう際の注意する点、また、自重トレーニングをより効果的におこなう為のコツについても見ていきます。単純に負荷の違いがあるだけだと思っている方もいますが、神経の働きなども含め、細かい部分まで違いがある事がありますので、その違いについて理解を深めていきましょう。

ウエイトトレーニングと自重トレーニングの一番の違い

皆さんは、ウエイトトレーニングと自重トレーニング、この違いはどんな所にあると思いますか?
自重トレーニング(自分の体の重さを負荷にして行うトレーニングの事)では物足りなくなったので、バーベルやダンベル、マシンでのウエイトトレーニングに移行した人や、軽いダンベルやマシンのトレーニングから初めて、そこからプッシュアップやスクワットなどの複数の関節を同時に動かす自重トレーニングに進んでいった人に分かれるのではないかと思います。これらは一見、負荷の違いがあるだけと思われがちですが、一般的なウエイトトレーニングやマシントレーニングの多くと、自重トレーニングとでは大きく違う所があります。それは、ダンベル、バーベル等のウエイトを(重さ)の方を動かすのか、それとも自分自身の重さを動かすのかの違いです。
胸のトレーニングとしておこなうプッシュアップの場合は、自分の身体を上げ下げして動かしますが、同じく胸の筋肉を鍛えるベンチプレスの場合は、身体はベンチに寝たまま固定されていて、バーベルの方を動かします。
懸垂なども同じ事が言えます。自分の身体の方を鉄棒などに引きつけますが、ラットプルダウンのマシンの場合は、バーを自分の胸のあたりへ引きつける動きです。
レッグプレスのマシンの場合も、スクワットと違って脚でプレートを押すのでウエイトの方を動かします。一見、同じようなものだと思われがちですが、体の動きは違うという事です。また、動きだけでなく、それに伴う神経の働き方も変わります。
あなたのトレーニングの目的が、見た目を変える事であるなら、違いをさほど意識する必要はありませんが、機能性を上げる事が目的なら、この違いをはっきり意識する事が大切です。
スポーツ動作のように、自分の身体をコントロールして移動させる筋力を身に付けるなら、自重トレーニングがより重要になりますし、重い物を持てる筋力や、見た目を整えていくボディメイクが大事だと思うなら、マシンやウエイトのトレーニングは効果的です。
高重量のトレーニングの多くは、その場に居着く動きになります。スポーツの動作の多くは骨盤を高速移動や、高速回転させる事が多いので、アスリートがウエイトトレーニングをおこなう場合は注意が必要です。ウエイトトレーニングをあまり好まないアスリートがいますが、この辺りにも理由があります。


ウエイトトレーニングでは出来ない自重トレーニングの利点

ダンベルやバーベルなどを用いたウエイトトレーニングは、一般的に、腕のトレーニングの際や自重トレーニングでは負荷が足らない時などに用います。負荷を上乗せする為に、手でダンベルやバーベル(ウエイト)等を持って行うのが一般的ですが、トレーニングの種類によっては注意が必要です。例えば、下半身のトレーニングの為にダンベル等を持つ場合、持ち方次第では、フォームが大きく変わってしまう事があります。特に、スクワットやランジなどのトレーニング種目は気を付ける必要があります。
理由として、自重トレーニングの場合は、しゃがむ動作で腹筋に余分な力が入らないので、スムーズに股関節を曲げていく事ができますが、ダンベルを握っておこなう場合、この”握る”という動作が腹筋の力みに繋がりやすく、それによって骨盤が後傾してしまうと、股関節が曲げにくくなってしまうからです。その結果、膝関節に余分な負荷がかかってしまいます。スクワットやランジなど、股関節の動きが特に重要なトレーニングでは、内ももやお尻の筋肉がスムーズに伸ばされる必要があります。その為には骨盤をやや前傾させながら、繋がりのあるお腹、胸の筋肉は過剰に縮ませない意識が大切です。(バーベルを担いで行なうスクワットやランジは、バーを首の後ろで背負う為、自然と胸を張る事ができるので腹直筋は過剰に収縮する事はありません)
自重での下半身トレーニングが慣れてきたので、負荷を上げる為ダンベルを持っておこなったら、急に膝が痛くなってしまったという話しは良く聞きます。これは、直接の原因が、負荷が上がったからではなく、ダンベルによってフォームが変わってしまったからです。では、ダンベルを持つ場合は、どのような事を意識しておこなえば良いのでしょうか?
この場合、膝に負担をかけ過ぎず、太ももやお尻を鍛えたいので、ダンベルの負荷が極力、腕や胸やお腹など身体の全面にかかり過ぎないように胸を張り、背中で重さを持つイメージでおこないます。また、ダンベルを持つ腕は、肘は伸ばして力こぶに力を入れないようにし、ダンベルを強く握らないようにします。これらはどれも胸やお腹に力が入り過ぎないようにするコツで、それによって股関節が動かしやすくなります。また、しゃがむ際には、下を向いてダンベルの位置を確認しない事も大切です。下を向く事は、骨盤の後傾に繋がり、それによって膝に負担をかけてしまう恐れがあるからです。これらのポイントを意識しながら、安全なトレーニングをしていきましょう。


ウエイトトレーニングも自重トレーニングも力を入れ過ぎない事が大事

人間の筋肉は、その役割りによって、屈曲筋と伸展筋に分ける事ができます。屈曲筋というのは、関節を曲げる働きをする筋肉です。肘を曲げる動きや、膝を曲げる動き、股関節を曲げる動きなども屈曲筋になります。
伸展筋はその逆の動きの筋肉で、関節を伸ばす時に働く筋肉です。肘を伸ばす、膝を伸ばす、股関節を伸ばすのも伸展筋になります。上半身と下半身で、動きによる繋がりは変わりますが、基本的に屈曲筋どうしは連動して収縮し、伸展筋もまた、伸展筋どうしで連動して収縮します。一般的なウエイトトレーニングでは、個々の筋肉を鍛えるので、それぞれの筋肉の繋がりを意識する事は少ないですが、本来はとても大切です。
例えば、背中を丸める屈曲筋の腹直筋は、同じく屈曲筋である大胸筋と直接繋がり、その大胸筋と繋がる上腕二頭筋をも収縮させます。自重トレーニングの際は、特にこの自然な連動が大切になってきます。その方が、全身の連動で、楽に強い力が出るからです。ダンベルでおこなうアームカールの場合であっても、腹筋の収縮を使って、大胸筋を働かせた方が上腕二頭筋を助ける事になり、力強く肘を曲げる事ができます。
(一般的なウエイトトレーニングは、ターゲットが上腕二頭筋である場合、身体を連動させず、肘の曲げ伸ばしの動きだけでおこなうのが良い動きとされています。ですが、これは動きとしては不自然です)


身体を連動させる上で大事な感覚として、”力を入れない方が力が出る”というものがあります。どういうことかというと、力むと部分的な関節の動きになってしまいやすく、連動する力が出なくなるからです。ですので、感覚としては、力を入れる意識をしない方が結果的に力が出る場合があります。
自重トレーニングとして代表的な懸垂の場合、胸やお腹に力を入れず、骨盤を前傾させて、むしろ胸やお腹をストレッチすることで背中の筋肉が収縮します。基本的に、人間は力むとお腹に力が入り、骨盤が後傾するので、背中側の筋肉を使う時は”力を入れない事”が大事であると言えます。ポイントは、力まないで、ただ動かす事だけを意識する事です。そうすれば、屈曲筋のブレーキが外れて、スムーズに伸展筋である背中の力を発揮する事ができます。また、握力というのは屈曲筋ですので、懸垂等で背中を使う際は、極力強く握らない事も大切です。伸展動作は、力みによる屈曲筋のブレーキを外す事がポイントになります。そうすることで”力を入れずに”力を出すことが可能です。


まとめ

ここまで、自重トレーニングとウエイトトレーニングの大きな違いについて見てきました。先ずは自重トレーニングは基本的に身体自体を動かす意識でおこなうものが多いのに対して、ウエイトトレーニングはダンベルやバーベルを用いる事が多い為、自分の体を安定させた状態で、ウエイトの方を動かす事が多いです。スポーツ動作の多くは、自分の体をコントロールしながら動かす事が大事になるのですが、多くのウエイトトレーニングは自分の体がそこに居ついてしまうので、ウエイトトレーニングはスポーツ動作に直結しにくい為、あまり行わないアスリートもいます。また、ダンベルやバーベルを持つトレーニングは、自重でおこなう場合とフォーム事態も違ってきてしまいやすい事も理解しておくことが大切です。高重量でおこなう場合はどうしても筋肉の緊張を抜く事が難しいですが、自重トレーニングの場合は、余分な力を抜く事で(拮抗筋の脱力)より連動性が上がり機能的な動きが可能になるのが利点であると言えます。もちろん、高重量トレーニングは、それぞれの筋肉の出力を上げる上で効果的なトレーニングです。
それぞれのメリットやデメリット、注意点を理解して取り組んでいきましょう。
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この記事を書いた人岐阜市のパーソナルジム・トレーニングスタジオACTION★ [ アクション ]代表トレーナー

渡辺康二

主な資格

  • NESTA-PFT(パーソナルフィットネストレーナー)全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会
  • ・TRXサスペンショントレーナーインストラクター
  • ・加圧トレーニングインストラクター
  • パーソナルジムやピラティス、ヨガの経験からオリジナルのストレッチを提案しています。

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