トレーニング上級者になる為に押さえておきたいポイント

トレーニング上級者になる為に押さえておきたいポイント

動きが初めから上手い人と、そうでない人がいて、それを運動神経がある、無いで表現されることもありますが、誰でも動きの質を高めていく事は可能です。
筋トレなどのトレーニングの上級者は感覚的に気づいている動きも、意外と身体の仕組みまで深く理解している人は多くありません。ですので、その構造を知れば、劇的に動きを向上させる事は可能です。例えば、肩を下げるという表現がありますが、動きの中で、肩が上がってはいけないシチュエーションは多くあります。肩が上がると関節が動かしにくかったり、体幹を使えなかったり。それをただ、肩を下げなければいけないという理解では、自分の中での真の理解にはならないですし、それでは応用も利きません。
ここでは、トレーニングの上級者が自然とできている動きを中心に、何故そのように動かした方が良いのかを、身体の構造面から分析して見ていきます。これを理解しておくことで、新しい動きであっても応用が出来るようになっていきます。
それでは詳しくみていきましょう。

上級者のトレーニング①肩を下げる意味を知る

よく、武道やスポーツの世界で肩を下げなさいと言われる事がありますが、それは何故でしょうか?
理由としては、肩が上がっていると、体幹と腕が分離してしまうからです。分離というのは、例えばプッシュアップや懸垂をおこなっても、胸、背中などの体幹の筋肉に力が入らず、腕や肩にしか力が入らないという事です。緊張などで腕に力みがあったりすると、つい肩が上がってしまうものですが、それでは効果的に体幹部の筋肉を使う事ができなくなってしまいます。ですので、トレーニングの上級者を目指すのであれば、肩を下げる意味を知っておく事が大切です。
先ず、身体の全面で考えれば、肩が上がると鎖骨が上がります。鎖骨は大胸筋が付着している部位なので、肩が上がってしまうと、大胸筋に力が入らなくなります。
プッシュアップの場合であれば、主に”押す”動作で使いたいのが、大きくて強い力がでる筋肉の大胸筋です。床に手を置いて構えた際に、負荷を大胸筋に乗せておくことで、沈む動作でも大胸筋を上手く使う事ができます。ここで大事になるのが、あらかじめ鎖骨を下げて構える事です。プッシュアップの構えで、手を肩の高さに合わせて置いてしまう人もいますが、それは鎖骨が上がっている状態です。この位置で沈むと、大胸筋が動かしにくく、また肩甲骨も寄せにくい為、肩に負担をかけてしまいます。
プッシュアップで大胸筋をしっかり使いたいのであれば、手は肩の高さに合わせるのではなく、胸の高さに合わせてセットし、手と手の間に胸を下ろしていく事でスムーズに大胸筋を動かす事ができます。
また、基本姿勢で、腹直筋にも力を入れておくと、大胸筋との繋がりから、自然と鎖骨を下げる事ができます。
それらを意識する事で、プッシュアップが、腕や肩ではなく、お腹と胸でおこなう感覚がつかめてきます。
次に、身体の背面で見た場合、肩が上がると肩甲骨が上がってしまいます。
背中でおこなう懸垂は、バーや棒に掴まった際に腕が伸びきってしまうと、肩が上がってしまい、腕や肩にしか力が入らなくない状態を作ってしまいます。ですので、体幹を使って懸垂をおこなうのであれば、先ずは肩を下げる必要があります。
背中でおこなう懸垂で主動筋になるのが広背筋です。脊柱と骨盤の上部から腕の付け根に付着していて、肩甲骨を下方回旋させる事で収縮します。コツとしては、動きの最初で骨盤を前傾させる事で、それにつられて肩甲骨が引っ張られて、肩を下げる事ができるので、それによってスムーズに肩甲骨が下方回旋して広背筋を使う事ができます。
身体の全面の筋肉である胸の筋肉を主動筋にして懸垂をおこなうのであれば、プッシュアップと同じように、先ずは骨盤を後傾させて、腹筋の力で胸に力を入れて鎖骨を下げます。腹筋と大胸筋が一緒に働く事で、上腕二頭筋に頼り過ぎない、体幹を有効活用した懸垂ができます。
体の前面にある胸は鎖骨、背面にある背中は肩甲骨、どちらも骨盤と連動して動きます。トレーニング上級者を目指すなら、骨盤の向きを明確に定める事を意識しましょう。


上級者のトレーニング②体は垂直、水平の動きが苦手?

人の身体は、脳が認識が先ずあり、神経の働きから筋肉が動いて骨を動かす事が出来ます。ですので、トレーニング上級者を目指す場合は、大前提として、骨を動かすのが筋肉の大きな役割りだと認識しておく事も大切です。
人間の身体は、関節がある事で複雑な動きをする事が可能なのですが、骨の長さが決まっていて、関節の動きも決まっている以上、当然無理な動きがあるというのも事実です。骨や関節の動きで考えた場合、身体の動きの多くは回転運動です。
特に、一つの関節しか動かさない単関節の運動は、基本的に直接の動きは無く、弧を描きます。
その為、回転運動の方が自然な動きであり、水平や垂直に動く事の方が不自然であると言えます。例えば、ダンベルカールの動きは、上腕二頭筋を使って肘の曲げ伸ばしをする訳ですが、必ずダンベルは弧を描いて動きます。ダンベルを完全に垂直に持ち上げようとする場合、多くの関節を複雑に動かす必要がありますが、人それぞれ骨の長さが決まっている為、むしろ垂直の動きは難しいと言えます。
プッシュアップやスクワットなどは、複数の関節が動く事で、垂直や水平方向に近い動きをするのですが、本来は垂直移動が自然な訳ではありません。その為、スミスマシンというレールの上を垂直に動くバーベルを使っておこなうスクワットなどは、完全に垂直にしか動かせられない為、腰や膝に負荷が高まってしまう場合があります。
これは、無理に直線的に動かそうとすると、関節や筋肉を痛める原因になりかねないという事です。トレーニング上級者を目指すなら、身体の動きを、筋肉だけでなく、先ずは骨と関節の動きとして捉えて、自然な動きを身につけていく事が大切です。


上級者のトレーニング③単関節と複合関節、それぞれのメリット

筋トレの種目には、大きく分けると複数の関節を同時に動かす”複数関節トレーニング”と、一つの関節だけを動かす”単関節トレーニング”があります。日常の動きで、一つの関節しか動かさない動きというのは殆んど無いので、より自然な動きに近いのが複合関節トレーニングです。単関節トレーニングよりも多くの関節が動く為、より強い力が発揮できます。
単関節トレーニングは関節を連動して動かさず、一つの筋肉だけを収縮させるトレーニングになりますが、当然、他の関節を動かさないため、発揮される力も複合関節トレーニングより小さくなります。しかし、目的の筋肉を最大限収縮させる事ができるので、効率良く目的の筋肉の筋力アップができます。それぞれにメリットがありますが、トレーニングの上級者を目指す場合は、次のようなポイントを押さえておくと、より効果的なトレーニングができます。
先ず、目的が効率の良い動きをする事であれば、何より複数関節トレーニングが重要になります。
トレーニングの際に、主働筋(その動きで主に使いたい筋肉の事)ではなく、それ以外の筋肉で頑張ってしまっているのであれば、良い動きとは言えません。この場合、主働筋の筋力が足りていないのか、もしくは関節の動かす順番が違っている可能性があります。
もし主動筋の筋力が足らない事で上手く出来ないのであれば、単関節トレーニングで目的の筋肉だけ(主働筋)を集中して鍛えて筋力アップを図る事はとても有効です。
例えばプッシュアップをおこなった際に、腕ばかりがキツくて大胸筋を上手く使えていない場合は、先ずは主働筋として使いたい大胸筋を、先に単関節トレーニングで鍛えておきます。それによって複数関節トレーニングに戻った際に、主働筋である大胸筋を効率良く使う事ができるというようになるという訳です。
見た目を変えていくのが目的(ボディメイク)の場合でも、基本的には複数関節トレーニングは大切です。より高重量が扱えるので筋肥大に繋がりますし、何より、関節が自然な形で動く事になるので、機能美を備えたボディラインを作る事ができます。
単関節トレーニングというのは、基本的にはそれを部分的に補うイメージでおこなう事が大切です。
例えば、肘や膝関節の周辺の筋肉は、本来動きとして単体で動かす事があまりないので、この部分を単関節トレーニングで集中的に鍛えるのは良い事です。
ただし、神経で考えた場合は、不自然な為、運動神経をトレーニングしたい人にはあまりお勧めは出来ません。また、屈曲動作と伸展動作の両方を同じバランスでトレーニングしないと、表側の筋肉と裏側の筋肉とでのバランスが崩れてしまい、身体を痛める原因にもなるので注意が必要です。筋肉は絶妙なバランスで成り立っています。必ず、対になる筋肉を一緒に鍛える事が重要です。トレーニング上級者を目指すなら、これらの事を踏まえてトレーニング種目を選んでいきましょう。


まとめ

ここまで、トレーニングの上級者を目指す為には知っておきたい、理解しておきたい事について見てきました。
先ずは、スポーツの世界でよく言われる、肩を上げてはいけない意味についてです。肩が上がる状態というのは、体幹と腕が分離してしまう状態の事で、動きの中で、身体の連動性が失われてしまいます。身体の全面で見た場合は、肩が上がるというのは、鎖骨が上がった状態の事で、胸の筋肉が働きにくくなってしまいます。プッシュアップで胸の筋肉を使いたいのであれば、基本姿勢の際に鎖骨を下げておくことが大切です。
身体の背面で見た場合は、肩を下げる動作は、肩甲骨を下げる動作になります。腕を使って”引く”動作は広背筋を使った動きで、腕の動きだけでなく、肩甲骨の下方回旋が行われると、より強く広背筋が収縮して力を発揮します。懸垂の動きで肩が上がったままでは十分に広背筋が収縮しない為、腕だけがきつくなってしまいます。ですので、先ずは肩を下げて体幹の筋肉を腕と繋ぐ事が大切です。
また、トレーニング上級者を目指すのなら、関節の動きは、基本的に回転運動だと理解しておく事も大切です。身体はその構造上、水平や垂直に動かす方が苦手です。回転運動の結果、直線に近い動きが出来るのだと理解しておくと、関節や筋肉を痛めてしまうリスクを減らす事ができます。他にも、動きというのは筋肉以前に、骨の動きであり、神経の働きが大事になります。筋トレには大きく分けて、単関節運動と、複合関節運動がありますが、身体は繋がりがある為、多くの関節が連動して動く方が自然です。その為、単関節運動は注意が必要です。目的の筋肉だけを、鍛えたい、引き締めたい、肥大させたいという場合は、その関節だけしか動かさないようにして負荷を高めていきますが、神経で見た場合は不自然です。それを理解しておかないと、筋肉は鍛えられたけど、動きがぎこちなくなってしまう事があります。ですので、複合関節の動きを基本として、補助的に短関節トレーニングをおこなうくらいの意識が大切になります。これらを意識しておこなうと、トレーニングや動きの質を高めていく事ができます。より安全に、より機能的な動きを目指していきましょう。
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この記事を書いた人岐阜市のパーソナルジム・トレーニングスタジオACTION★ [ アクション ]代表トレーナー

渡辺康二

主な資格

  • NESTA-PFT(パーソナルフィットネストレーナー)全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会
  • ・TRXサスペンショントレーナーインストラクター
  • ・加圧トレーニングインストラクター
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